岐阜県関市の奥長良小瀬の鵜飼い開き・漆黒の闇と篝火の共演
岐阜鵜飼いの漁場から長良川を約20キロメートル上流へ上ったところに関市小瀬の鵜飼いの漁場がある。
岐阜市長良川の鵜飼いは有名ですが、関市小瀬の鵜飼いも長良川鵜飼いと同じく、皇室御用の鵜飼いで鵜匠は宮内庁式部職鵜匠という国家公務員で世襲制です。
増水で水が濁っていなければ、かがり火の下を泳ぐ鮎の姿が見えるほどの清流・奥長良川にかかる鮎ノ瀬橋上流で行われます。
小瀬鵜飼いの見どころ
小瀬鵜飼いの見どころは「狩り下り」です。鵜匠が操る鵜船と観光客が乗る観覧船が並走して川を一緒に下ります。
川下りをしながら、数隻の観覧船を順次、鵜船の近くへ寄せてくれるので、鵜を操る鵜匠の手縄さばきを間近で見ることができます。
さらに、水の濁りの無いコンディションの良い日は、かがり火の下を泳ぐ鮎と、鮎を追う水中の鵜の姿を見る事ができます。
愛知県犬山市の木曽川の鵜飼いや下流の岐阜鵜飼いと異なり、静水や流れの穏やかなトロ場ではない、流れの速い瀬を下りながら漁を行う鮎漁本来の姿が小瀬鵜飼いの見どころです。
小瀬鵜飼いの特徴
小瀬鵜飼いの特徴としては、次のようなものが挙げられます。
●小瀬鵜飼いの漁場は背景が山なので道路や照明が無く、漆黒の闇の中で行われます。明かりは篝火、ろうそくのみなので幻想的な雰囲気が味わえます。
●鵜飼い開始前の鵜匠の準備や、廻し場という鵜匠の打ち合わせ場所、鵜が獲ったアユを鵜匠が吐き出させる場面など、鵜飼い終了後の風景も見る事ができます。
●鵜飼い船、観覧船ともに手漕ぎ船で動力は使っていません。
●小瀬鵜飼いの特徴は同じ長良川で行なわれる岐阜市の長良川鵜飼いと比べて小規模であるがゆえに、昔からの漁法としての鵜飼い漁の本来の姿が色濃く残っており、上記、「小瀬鵜飼いの見どころ」に記した鵜飼い船に観覧船を順次近づけるなどのサービスがあり、人気があります。
●長良川鵜飼いは、日本で唯一皇室御用の鵜飼いであり、獲れた鮎は皇居へ献上されるほか、明治神宮や伊勢神宮へも奉納される。
●小瀬鵜飼技法は岐阜県指定無形民俗文化財です。
●平成27年3月【長良川の鵜飼漁の技術】が国の重要無形民俗文化財指定、同年12月には【清流長良川の鮎】が世界農業遺産認定されました。
小瀬鵜飼いの開催期間
小瀬鵜飼いの開催期間は、同じ長良川で行われる岐阜鵜飼い同様、毎年5月11日に開幕して、10月15日まで中秋の名月と増水時を除く毎晩行われ観光客や鵜飼ファンを楽しませてくれます。
千有余年の伝統の技を受け継ぐ小瀬鵜飼い
小瀬鵜飼いの歴史は古く、奈良時代の史書にある「美濃鵜飼」の伝統を受け継いでいるといわれています。平安時代に醍醐(だいご)天皇から賞賛され、織田信長からは「鵜匠」という名称を与えられ、徳川家康には鮎ずしを献上したと伝えられています。
時の権力者の保護を受けてきた小瀬鵜飼。明治23年からは宮内庁の直轄となり、その古式ゆかしい伝統の漁法は、今も長良川の川面で繰り広げられています。https://www.city.seki.lg.jp/kanko/0000001578.html関市で観光より出典
岐阜市の長良川鵜飼いほど観光としてのショー化されておらず、約1,300年前から行われている古典漁法をいまに伝える小瀬鵜飼いです。
屋形船での食事は無く、鵜飼いそのものを楽しむのがで小瀬鵜飼いです。
川の流れる水音と漆黒の暗やみの中に映える、かがり火の灯りのもと、鵜と鵜匠が川面に織りなす古典絵巻の世界を存分にお楽しみください。 マサミ
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