東野圭吾の「素敵な日本人」の読後感・ネタバレ無しで・・・
東野圭吾の「素敵な日本人」のあらすじと感想文をネタバレ無しで書いてみようと思う。
「素敵な日本人」は東野圭吾の短編小説集で、各小説のページ数はおよそ30P前後。
どの話も空き時間にサクサク読めました。
「素敵な日本人」もくじ 正月の決意 |
今日は「素敵な日本人」の中の「正月の決意」の読後感を書いてみる。
正月の決意・ネタバレ無し?のあらすじ
この「正月の決意」が短編集のタイトル「素敵な日本人」になっていると思う。
「素敵な日本人」の文体は、東野圭吾の「名探偵の掟」に一部が似通っている。
東野圭吾は「素敵な日本人」の裏も表も全てを読者にあからさまにしながら、国のトップリーダーや行政機関の行為をミステリー小説の形態で痛烈に皮肉っているのかもしれない。
ここからあらすじ============================================
一年の計は元旦にありと、達之は書初めをし、妻の康代はお屠蘇を準備し終えた。
正月には書初めをし、お屠蘇を飲むのが前島家の習慣だ。
夫婦は午前6時近くに連れ立って最寄りの神社に初詣に出かけた。
途中から神社へは一本道。人の姿は全くない。
鳥居をくぐり、さい銭箱の前で町長が倒れているのを発見した。
駆け付けた警察や神社の宮司。
事件に巻き込まれた夫婦は再三に渡り、イヤというほどの事情徴収を受ける。
夫婦は犯人らしき人影も見ていない。
康代のアドバイスで警察は宮司が教育長をかくまっていた事に気がつくが・・・。
宮司が本当に隠蔽したかったものは?
そして、事件は解決。
前島夫婦は警察組織や周りの態度と行動にバカバカしさを覚えてしまう。
二人は午前10時を少し過ぎて初詣ができないまま家に帰った。
わずか4時間余りの正月の出来事によって、夫婦は心を新たに生きる決意をする。
そして、「誠意」と書いた書き初めを破り捨て、康代が用意していた屠蘇を飲むのを止めた。
日本よ、どこへ行く
どこかの国のリーダーたちは、悪事を働いても、不正に加担しても、知らぬ存ぜぬで押し通す。
経済的に裕福でありながら、さらに己の私腹を肥やそうと欲望をむき出しにする。
セクハラ、パワハラなどは、恥ずべき行為だと思ってもいない。
常々、己が考えている事をうっかり口が滑って醜い本音がバレても、失言、訂正で済ませて責任を取ろうともしない。
例を挙げたらキリが無いが、このようなリーダーの下にある各種行政機関も、同じように右に倣って恥を知らない「破廉恥」な組織になり下がり、同じような行為、行動を繰り返す。
そして、毎日のようにニュースやワイドショーで破廉恥な情報が繰り返し報道される。
こんな報道を見せつけられる国民は悲劇です。
なんとか、真面目に生きる人々の報われる日本になって欲しいと願います。 マサミ