寛解したはずの父の食道がんが再発!
この頁では、父の食道がんの再発が確認された事と、「がんは本当に消えていたか?」と私が担当医に問いただした内容と担当医の回答について書いてみます。
では、まず父のがん再発が確認されるまでの経緯からご覧ください。
もくじ
父の定期検診と食道がんの再発が確認されるまでの経緯
退院後の父の定期検診は順調に間隔が長くなっていました。
定期検診の間隔が長くなり本人も家族にも油断が生じてしまった
父が退院して半年、今まで一ヶ月に一度だった定期検診が三ヶ月に一度の検診になっていました。
定期検診についても私たち家族も最初のうちは、何かあるのでは・・・とビクビクしていましたが、1ヶ月に一度の定期検診が3ヶ月に一度に延びて、その後も何回かの検診を無事にこなしていくうちに、何もないのが普通になっていきました。
このような状況下で、私たち家族にも父にも油断が生じました。
この頃から、父は経済的な理由から、サプリメントを飲む量を、健常者が健康維持のために飲む量しか飲まなくなっていたのです。
私達、家族も漠然とそれでも良いのではないかと思っていました。がんが消えて健康体になったのだから、サプリメントを飲む量も健康維持の量で良いのではないかと・・・。
父のがんが寛解して、穏やかな日々が過ぎていきました。
父は、がんが発見される前と同じように自分に無理のない程度の仕事と趣味で、人生を満喫していました。
でも、3ヶ月に一度のがんの定期検診だけは、決しておろそかにはしませんでした。
父の食道がん再発が定期検診で発覚した時の経緯と担当医の説明
そして、食道がんの寛解から1年半が経過した頃の定期検診で、父の食道がんの再発が見つかりました。
G大学医学部附属病院の定期健診から父が車を運転して帰宅するまでの間に、担当のY先生から「残念ですが、再発してみえます」と直接、私に電話が入りました。
私が急ぎ病院へ駆けつけると「食道がんというがんは、のどに近い上部ほど再発しやすく、胃に近い下部ほど再発しにくいものです」と説明が始まりました。(がんは決して治らないから寛解と言うのだという事も説明に加えられました)
そして、父より前に食道がんが寛解した比較的軽度な患者さんの治療前、治療後、近々の検診での画像を私に見せて、「この人は、食道の下部、胃の近くだったために、未だに再発してみえません」との説明を受けました。(同じ食道がんで父より長い期間、再発していない事例を私に見せたかったようです)
父のがん細胞消滅の説明を受けた時に、いま聞いたような再発のリスクや度合いを教えてくれてさえいたら・・・。
こんなに重要なことは、がんが寛解した時点で、私や家族にシッカリと伝えてさえいてくれれば、そしてくれぐれも留意するように教えてくれてさえいれば・・・。
父のがんが再発した後に聞いた食道がんの説明に非常に悔しい思いをしたのです。
父の末期食道がんは、本当に消滅していたのか?
この説明の後、私は思わず「がんは、本当に消滅していたのか?診断ミスは無かったのか?」と質問しました。確認せずにはいられなかったのです。
すると先生は「がんが在った中心と上下から、合計で五ヶ所から食道の内皮細胞を採取して検査に出したのですが、(当時)がん細胞はひとつも発見できませんでした。」と言われました。
さらに、見落としや間違いがあったのではないのかと食いさがる私に、「現在は昔と違い、担当医がひとりだけで判断するのではなく、他の医師や検査技師とチームを組んで、協議して診断をしている。お父さんの治療後はCT画像や腫瘍マーカーなどの、どの検査の項目で判断しても、がんは消滅していた。もし、これら以上の検査をと言われれば、生きているお父さんの食道を5ミリ間隔で切り刻んで検査する以外は方法が無いし、もちろんそんなことはできない。」と言われました。
できもしないことを言われても・・・。
でも、担当医としては、そこまで言わなければ私が納得しないと感じたのでしょう。
私がやむなく今後の治療方法をたずねると、「前の治療で放射線は被爆の極限まで使用したので、これ以上の治療はできません」と言われました。
私が「それでも、何か他の治療法はないのでしょうか?」と食い下がると「脊髄を放射線が損傷して、お父さんを廃人にしても良いのですか?」と言われてしまいました。
父に残された道は終末医療のみだと
現在、父は、車を運転して地方都市から県庁所在地の大学病院まで通院できる体力があり、仕事や趣味を謳歌していますので、それは困ります。
最後に先生はダメ押しをするように「抗がん剤を使用しても、今回は全く可能性がありません。お父さんが苦しむだけです。後は終末医療です」と告げられてしまいした。
末期食道がんの父の終末医療をつげられた私(息子)の様子
父のがん再発を告知されてからの数日間、わたしの心身はどん底でした。
ひとりで夕食を食べる時などは、無性にさびしくてテレビをつけるのですが、画面はチカチカと点滅し、音はガンガン鳴っているのですが、何が写っているのか、何を言っているのかなど、内容はサッパリ解りませんでした。
ストレスの影響か食欲は無く、たいした量を食べてもいないのに下痢が一週間あまりも続きました。
父にサプリメントの量を増やせと言えない私の葛藤とむなしさ
ようやくショックから立ち直った私は、再度、父にサプリメントを入院中と同じの量に増やそうと考えたのですが、それは・・・言えませんでした。
理由は、この(がんの再発が発見された)時点では、未だ父に食物が飲み込みにくい等の食道がんの自覚症状が全く出ていないからです。
このタイミングで例のサプリメントを入院中と同じ量を飲めという事は・・・父にがんが再発したことを知らせるのと同じ意味をもつのです。
がんが寛解した時、放射線科の担当医が父に「本当は食道がんだったのですが、がんは消滅しました」と他の患者さんがいる大部屋で父に告げなければ・・と悔やまれてなりませんでした。(医師としては快挙だったに違いない。ガン告知している同室の患者さんへの励ましとアピールの意味もあったのでしょう)
どんな方法でも良いので治療ができれば・・・たとえ、わずかでも良くなる見込みがあれば・・・また、以前のように“治療と健康食品の良いとこどり”をして「例のサプリメントをあの時と同量飲めば、また良くなるかもしれない。治療前には小さくはなるけど消えないと言われていたのが、実際に消えたじゃないか」と父に再度、勧める事ができるのですが・・・。
現状は最初のがん発見時とは違い、何も治療ができない、担当医もあきらめきっている現状で、父にがんの再発を知らせることは・・・私にはできませんでした。
寛解したはずの父の食道がんが再発!のまとめ
末期の食道がんが寛解した父も私たち家族にも穏やかな生活が戻ってきました。
その油断に乗じたのか、がんの再発が定期検診で発覚したのです。
私は担当医にがん消滅に診断ミスは無かったのか問い詰めたのですが、それはあり得ないと全否定されました。
今後の治療方法は無い。残された道は終末医療しかないと言われました。 マサミ
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