胃切除後症候群で体験した吐き気や貧血、下痢等の後遺症と対処法について
本頁は胃がんによる胃切除後の半年間に体験した貧血や吐き気、嘔吐、下痢、腹部膨満感、腹痛などの胃切除後症候群について綴りました。
前項の 胃がん手術の後遺症、胃切除後症候群とダンピング症候群について もあわせてご覧いただければ幸いです。
この項は2014年2月4日に胃の下部を切除し、同月18日に退院をした後の体験談です。
ちなみに私は、胃がんの発見が早かったために術後の抗がん剤投与は行われていません。
しかし、今回の手術では胃の下部80%と胃の周囲のリンパ節、また手術前の検査で胆石が発見されたために胆嚢も摘出しています。
胆嚢摘出が原因なのかどうかは、判断できかねる症状も含みますが、胃がん手術による胃切除後の半年間に私が体験した後遺症を具体的に書いていきます。
もくじ
胃切除後半年間の胃切除後症候群の体験をまとめてみた
今日は9月1日。
胃切除後の半年間は毎月一回、胃がん手術後の定期検診を行ってきましたが、今月からは2ヶ月に一回の定期検診で良いという事になったので、この半年間に体験した胃がん手術後の後遺症をまとめてみます。
胃切除後症候群による吐き気とおう吐は比較的早く脱却できた
私が胃切除後に体験した後遺症は、貧血、吐き気、嘔吐、下痢、腹部膨満感、腹痛などの諸症状ですが、吐き気とおう吐は比較的早く脱却できました。
退院して2~3ヶ月間は一回の食事の適量が判らず、特に夕食を食べ過ぎて、吐き気を感じたり、おう吐をする羽目に陥りました。
特に、友人達とのお酒を飲みながらの会食は、楽しさのあまり、ついつい飲酒量も増え、食べるスピードも速くなりがちで、トイレや洗面所に駆け込むことが多々ありました。
それでも、私の場合は、胃切除後の吐き気とおう吐は3~4ヶ月を経過する頃には脱却できたと思います。
胃切除後症候群の吐き気とおう吐の対処法
吐き気は続いている間中、非常に気持ちが悪いです。
おう吐の方は、十分に吐けば一気にスッキリしますが、涙目になるほど苦しい場合も有りますし、体力を消耗します。
対処法はお酒を飲み過ぎない事、食べ過ぎない事が一番です。
そして、常にお腹と相談しながら、ゆっくり時間をかけて飲み食いすることです。
胃切除後症候群で長く続いた貧血と下痢、腹部膨満感から来る腹痛
まず、退院後に自宅に戻って一番困ったのは下痢です。
胃切除後症候群による下痢の現状
胃切除後症候群による下痢は、半年が過ぎた現在も続いています。
手術前には一日一回だった便通が、今は便意が一日に二度も三度も表れます。
下痢ですから、待ったなしでいきなり便意をもよおします。
トイレに間に合わなかった経験も有ります。
特に午前中の外出は控えるようにしました。
胃切除後症候群による下痢の対処法
私は薬は使っていません。
健診時にも訴えるのですが、先生は「薬を飲みましょう」とは言いません。
仕方がないので、朝の食事がすんでからも『お腹が空っぽ』になったと確信が持てるまで、外出を控えています。
その『確信』を得る目安は、下痢の最後に便ではなく、粘性の高い無色透明な体液が出るまで・・・という感じです。
胃切除後症候群による貧血について
退院後も初めのうちは、病院の指示通り一日の食事を5回に分けて摂っていました。
しかし、イザ仕事に復帰すると一日に5回の食事を摂るのは現実的に困難になってきました。
やむをえずに、3食で済ますと貧血が起きます。
一番多いのが、草むしりなどをしているときの立ちくらみで目の前が暗くなります。
その他、ウォーキングで坂道や階段を上っている時にも、たまに目の前が暗くなります。
一番いやな貧血の症状は胸の真ん中あたり、食道近辺に違和感を感じて気持ちが悪くなると共に便意を感じる貧血です。
この症状を最初は貧血だと思わず、空咳などをして胸の違和感を払拭しようとしていたのですが、家族に顔色が白いと指摘されて、はじめて貧血だと気がつきました。(目の前が暗くなる症状は、表れませんでした)
この時の体重は、入院前に比べてマイナス8キログラムくらいでした。
ちなみに半年後の今日の血液検査では、ヘモグロビンの値が13.5g/dlと基準値には入っていますが、最低ギリギリの値です。
胃切除後症候群による貧血の対処法
立ちくらみの場合は、直ぐにしゃがみこんで回復を待ちます。
ウォーキングの場合もその場でしゃがみこむか、ベンチなど横になるものが有れば横になって回復を待ちます。
胃切除後症候群の腹部膨満感による腹痛は、生唾や冷や汗が出るイヤーな痛み方
私の場合、胃切除後症候群で一番苦しかったのは腹痛です。
一日5食は不可能ですので、一回の食事の量を少しずつ増やす努力をするのですが、ご飯、パン、粉ものなど主食の種類によって胃の中での膨張率が違う為でしょう。
夕食時に多いのですが、ホンの少しでも食べ過ぎると、食事が終わってから、しばらくするとお腹が膨満感を覚えて、次第に痛みだすのです。
その痛みは、胃の中に入った食物が膨張し始めると始まります。
痛み方をたとえるなら、万力で指を挟んで少しずつ締め付けるような、鈍くズーンとした、オモーイ痛みが胃のあたりを中心にお腹全体に広がります。
具体的にはおなかの痛みと共に、口の中に生唾がジワッーと出ます。
また、冷や汗がダラダラ出たりします。
こんなイヤーな痛みが、30分から1時間くらい続きます。
胃の膨満による痛みが出始めると、座っていてもダメ、立ってみてもダメ、横になって寝ても、どんな姿勢をとっても逃げられません。
このイヤーな痛みで苦しめられるたびに、胃の大部分を切除してしまった事をずいぶんと悔やみ、お医者様自身が私と同じ程度のがんだったら・・・と、つい下記のように考えてしまいます。
お医者様自身ががん患者だったら胃の大部分を切除するだろうか?
もし、仮にお医者様ご本人やその家族が、私と同じステージⅠの胃がんに罹った時、お医者様は本当に胃の大部分を切除したりするものだろうか?
もしかしたら、本人やお医者様の家族の場合には十分な検査を行った後に、胃の大部分を切除するような手術はせずに、内視鏡による局部手術のみで様子を診るのではないだろうか???などと、ついつい勘ぐってしまう位、胃の膨満感の後にくる腹部の痛みは痛く苦しいのです。
胃切除後症候群による腹痛の対処法
胃切除後症候群で膨満感の次にくる腹痛の対処法は・・・一旦痛み出すと効果的な対処法は無いと思います。
痛み始めると食物が膨張しきるか、腸へ順次送り出されるまで止まりません。
一番楽な姿勢は低い腰かけに座り、背中を丸めてお腹を抱えるか、横になって猫のようにまるまる事です。
また、膨張の主となるご飯、うどん、パン、粉ものなど、食物の種類によって食べる量を早く見極めるようにするか、お腹とよく相談をしながら、ゆっくり時間をかけて食事をするしか方法がありません。
胃切除後症候群で体験した吐き気や貧血や下痢等の後遺症と対処法についてのまとめ
胃切除後症候群で一番私が苦しかったのは、腹部膨満感の次に来る腹痛です。
とにかくお腹と相談しながら、ゆっくりと食事をして決して食べ過ぎないように!
そして、私の場合、胃切除後に長く続いている後遺症は下痢と貧血です。
貧血は特別に悪い数値ではありませんが、比較的頻繁に起こります。
下痢は胃とリンパだけではなく胆嚢も切除していることや、小腸が短くなっていることが原因しているかもしれません。 マサミ
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